子どもたちを社会の一員として迎えるということ

子どもがよりかけがえのない存在として社会の一員となるには、子どもの心身の健康と安全を守り、学習のチャンスを作り、さらに子どもの意見や感性を表現するチャンスを作ることが必要です。

親は子どもの学費や月謝さえ払っていればいいわけではありません。子どものプライバシーを害さないことを前提に、「友達は誰か」「学校の授業を理解しているか」「好きなこと、嫌いなことは何か」「今、子どもが親に何か不満を持っているか」等、少しでも知っていることが、子どものニーズにあった協力や助言につながります。

子どもの意見や感性を表現するチャンス作りとは、何も特別な場づくりではありません。日常の生活の中で、子どもの話を聞くことです。お風呂場で歌を歌っているのなら「早く出なさい」という前に、「何の歌か」聞いてみることです。子どもがクラスの子を殴ったとしても、いさめる前に、まず子どもの話を聞くのです。話を聞かなければ、殴った理由がわかりません。

日常生活の何気ない場面こそ、家族の一員、社会の一員であることを相互に意識できる機会が眠っています。