成年後見制度の限界と信託の進化

成年後見制度は限界に来ています。端的に申し上げれば、ご自分の自由意思が尊重されないといいう問題です。ご自分の財産がご自分の自由にならないという現実が見えてきました。
ご自分が、最後までご自分の意思で生きたいとお考えの場合、信託という法制度を活用する手法が注目されています。信託といいますと、単にお金を託すことかとお思いですね。金銭信託がそれですが、確かに、現在は、お金を託すだけであり、そのお金をどのように使うかという内容まで託することはできません。さあ、いよいよ信託制度の進化が求められるところです。

信託制度を進化させる試みが『市区町村信託』です。アマゾンや楽天で購入できます。ぜひご一読下さい。ご自分の自由意思で最後まで生きる人生を実現するための手法です。受託者が市区町村ですので、財産を失うおそれはまずありません。従来の家族信託では、受託者を親族とするわけですが、親族の横領や、本人の意思に沿った使い方でない場面も生じかねず、本人の自由意思を守り切る考え方とはいえません。高齢者や障害をお持ちの方が、安心してその意思を尊重されつつ暮らし続けることを叶える仕組みが『市区町村信託』です。(村田光男)